堂々と1〜5

堂々と1〜5(土山しげる。野島好夫/リイド社


今まで未読だったので思わず購入。
一言でこの漫画の中身を表すとすると「きれいな蛮王(バンキング)」というのが適当なのではないかと思います

堂々と 蛮王(バンキング)
主人公の職業 帝和開発社員 明和銀行行員
部署 氷川出張所(姥捨て山、飼殺される部署) 資料室(閑職)
主人公の目的 先代社長である父を死に追いやった帝和開発社長の失脚 一族を抹殺に追いやった明和銀行頭取、羽島建設社長他を地獄に落とす


大体似ているのですが、この二つの作品から受ける印象はだいぶ違います。
というのは、蛮王は詐欺や騙しで明和銀行、及び羽島グループに打撃を与えつつ明和銀行頭取、羽島開発社長の足元を揺さぶっているのに対し、本作では基本的に合法的な手段で氷川出張所からのぼりつめていっているからです。


個人的には蛮王や借王のようなダークな土山ワールドの方が好きなのですが、本作は本作で、ダークではなかったけれど、楽しく読むことができました。


ただ残念なのは、本作が非常に打ち切りっぽいまとめ方をされていることです。


本作の主人公である仙道涼は氷川出張所という姥捨て山に飛ばされつつも成果を上げ、最終的には帝和開発社長である黒部伝蔵の秘書にまで上り詰めるのですが、この時点で全34話中33話を消化してしまっています。


そのため、最終話で現社長の反対派(前社長のシンパ)と連絡をとり、前社長一派とともに黒部社長に対して戦いを挑むところで本作は幕を閉じています。
このあとの仙道と黒部の戦いまで読んでみたかったものです。


しかし原作者が違うのにこの基本設定の似通いっぷりはちょっと気になりますね。