外天楼(石黒正数/講談社)

それでも町は廻っている」の石黒正数によるミステリの体裁を取った作品。
一度読んだらまたすぐに読み返したくなる良作だと思う。
タイトルにある外天楼というのは作中に登場する集合住宅の通称とのこと。
最初の5話位はそれ町にあった、探偵回のような雰囲気を持った1話完結の話が描かれており、軽い気持ちで読むことができる。
6話目辺りから話が転がりだし、今までに起こった事件がある程度線となってつながりだす辺りの展開は見ていて非常に驚かされた。
個人的にそれ町は途中で挫折してしまったが、本作は単巻であることもあり、非常にテンポよく読むことができた。
ミステリの体裁を取っていることもあり、またラストが非常に印象的であるため、内容については触れないが、まあ読んで損はしない作品なんじゃないかと思います。
それ町の探偵回が好きな人もそうでない人も読んで楽しめる作品だと思います。